ドラッグ・リテーナーと呼ばれるトレー(マウスピース)を用いて抗菌剤を歯の表面に運び、一定時間作用させることにより、除菌する予防方法です。
適応症
・重度のむし歯のコントロール
・乳歯の多発性のむし歯から健全永久歯列への感染防止
・ミュータンス菌(むし歯菌)の母子感染、いわゆる感染の窓の時期(生後19~31か月)に母親に対し 除菌処置を行い、ブラッシング単独より効果的に 母子感染を防止する。
・唾液の分泌量が減少している場合の根面カリエス防止
・歯周病予防
むし歯のプラークコントロールとして用いる場合には、ミュータンス菌の比率、量の測定(だ液検査)、プラークの厚さ、固着性(プラークの質)、砂糖の摂取頻度などより、
むし歯のリスクが高い場合に行います。
3DSの手順
①だ液検査をおこない、ミュータンス菌の比率、量が正常と比較して除菌が 必要かどうか調べます。
②むし歯のリスクが高いと判断した場合、十分に説明を行ない同意を得た上で,3DSによる除菌を行っていきます。
③ドラッグ・リテーナーの作製
個人の歯列にあったカスタムメイドのリテーナー(マウスピース)を作製します。 カスタムメイドのため、だ液による薬剤の作用濃度の低下を防ぎ一定時間 薬剤を保持することができます。
④バイオフィルムの物理的除去(PMTC)
バイオフィルムを染め出したのち、PMTCを行い物理的に除去します。
⑤ドラッグリテーナーへ薬剤注入・ドラッグリテーナー装着
5分間保持したのち、除去します。
⑥ホームケア
ドラッグ・リテーナーを用いて、ホームケア用の薬剤を使用します。
⑦除菌効果判定のための唾液検査
処置後60日くらいに検査を実施し、除菌効果を確認します。
必要な場合は④⑤⑥をもう1クール行います。