日常の口の中で繰り返されている「脱灰・再石灰化サイクル」
「脱灰」とは歯からリン酸とカルシウムが溶け出すこと、「再石灰化」とは失ったこれらの成分を歯に補い、健康な状態に戻すことを言います。そのサイクルの中で大きな役割を果たしているのが唾液です。食事をすると歯の表面のミュータンスレンサ球菌等の細菌によってプラーク(歯垢)が形成されます。プラーク内ではその菌が糖分を食べ酸を産出します。それによって、プラーク内は酸性に傾きます。この酸性度を示す値(pH)が5.5以下になると、歯の表面から唾液中へとミネラルが溶出する脱灰という現象が生じます。しばらく時間が経過すると、唾液のはたらきによってプラークpHは上昇し、溶け出ていたミネラルイオンが再びエナメル表層下に結晶する再石灰化が生じます。
再石灰化現象は口腔機能にそなわっている生体防御の一部ですですので、これを積極的に発現させる再石灰化処置は、本当の意味で非侵襲的処置になります。
やすとデンタルオフィスでは初期の虫歯(CO,C1)には原則として、削らずに「再石灰化」を確実に行うためにナノテクノロジーを応用した{再石灰化療法}を行っております。
再石灰化療法の手順
ミュータンス菌などの細菌が集合体を作り、歯の表面に形成された膜(バイオフィルム)をプロフェッショナルケアで落とします。
1.歯面へのダメージを最小限に抑えた清掃をします。
歯ブラシや音波歯ブラシ、フロスなど、非侵襲的な器具を用いて歯面の付着物の厚みを減少させます。
有機質を溶解させる薬剤を30~60秒ほど塗布し、十分に水洗します。
研磨剤無配合のRENAMELRを歯の表面に塗りこんでいきます。
再石灰化を促進し、ミネラルの供給をより確実に行うため、チェアサイドでPOs-Ca配合ガムやタブレットを摂取してもらいます。または歯面の仕上がり状況に応じて、フッ化物ジェルを併用します。
ナノケア実施後、当日は着色性の飲食物は避けてください。
そこで、自らの構成成分であるリン酸カルシウムをイオン化して放出し、再石灰化します。
リナメルを作用させた後